2020.6.27 続報3 塗布剤(メイカコート)の産卵(穿入)防止効果検証
2018年5月26日に試験施工を開始した、クビアカツヤカミキリ産卵による穿入抑制検証結果ですが、2018年8月17日に施工した6本の中で1本から樹液とフラスの滲出が見られ加害を受けていることが判明、精査の結果、前年度既に産卵されていたことが判明、加害を受けている対象木には脱出抑制効果が得られにくいことを確認しました。又、2019年8月18日に塗布剤の上に産卵されていることも確認されましたが、現時点では孵化、穿入の痕跡は見られません。孵化幼虫の穿入効果は現時点であると思われますが、塗布剤の耐用年数が1年となっており、再塗布の期限を過ぎると肥大成長部分や皮目に塗布剤の亀裂が生じます。今年、再度全塗布を検討したのですが、費用対効果の検証も重要なので、亀裂部等の補修塗布のみで効果が3年持続するか今回は経過を見ることにしました。(基本は毎年、再塗布が必要です)
写真は、塗布前年既に産卵された加害(塗布下でも容易に幼虫は生育、簡単に排糞孔も開けている)この状態で脱出予定孔も開けられると成虫の脱出の可能性は非常に高い。
ブログ塗布剤3-1PDFの写真は塗布剤上に産卵した状態(今年、フラスや樹液は確認されていないので孵化、穿入は失敗したと思われる)
塗布剤亀裂部のみへの3年目の再塗布状況2020年6月6日試験施工
2020年6月27日現在では、産卵による穿入被害は確認されていませんが、産卵される事実は樹体(樹種)認識をクビアカがした証しであり、課題は残りますが、塗布皮膜下への穿入被害は確認されていませんので、ある程度効果が得られたと思われます。しかし、この塗布資材に関しては、薬剤と違い、塗布状態(塗布の仕方、皮膜の厚さ、範囲等々)施工する人により個人差があるので、私が直接施工した範囲、施工指導した方の作業範囲において穿入被害抑制に現時点で一定の効果が得られたとの報告に留め置きます。確実に塗布された場合、カシノナガキクイムシでの穿入防止効果は確認していますが、クビアカツヤカミキリの場合、検証期間が短くこれからも検証はまだまだ続きます。 「クビアカに効果はありますか?」と最近良く問い合わせがありますが、どんなレベルで施工されるのか解らない方には申し訳ありませんが「検証中です」としかお答えできないのが現状です。