2025.6.25 クビアカ対策も本番を迎えています。

6月後半になり、クビアカ対策も成虫脱出時期を迎えいよいよ本番です。兵庫県でも三田市で18日にオス成虫が1頭確認されています。兵庫県では昨年からフラス発見に主力を置き、冬場から次々とフラス発見の情報が届き、成虫脱出を未然に防ぐ対策が講じられ効を奏しています。

フラス被害木を発見したら ①被害木のトリアージ ②幼虫捕殺 ②薬剤注入 ③ネット巻き ④6月、7月に樹幹薬剤散布が基本となります。その間8月下旬までは定期巡回で観察します。被害程度により、10月以降伐採対象となる被害木については、緊急脱出防止ネット巻き(徳島方式)で成虫の脱出を完全にブロックします。

6月15日 徳島で行われた脱出防止ネット被覆、高さ7m。 (通常のネット巻きの浮かして巻く方法と違い、複数枚を重ね密着させて脱出をブロックします)

6月10日 兵庫で実施した緊急脱出防止、徳島方式のネット巻き、高さ6m(10月以降に全て伐採、焼却処分となります)

複雑な樹形もこの方式であれば容易に脱出防止が出来ます。(兵庫県ではこの徳島方式は10月以降に伐採決定の被害木のみ対象)

被害木の移動処置が出来ない今の時期は、緊急ネット巻きの連続です。残すと判断した被害木は「幼虫捕殺、薬剤注入、浮かせたネット巻き、薬剤散布、定期観察」の繰り返しですが、クビアカ対策で一番難しいことは、個人所有の被害木で被害度合いがトリアージ1、伐採対象木と判定した被害木は費用もかさみます。いかに納得して処置していただけるかですね。緊急ネット巻き後の誠心誠意、丁寧な説明が求められます。

通常、残して守る場合の被害木のネット巻き(浮かせて張る)、ネット内部の幼虫は捕殺、ネット巻きより上1.5mは6月、7月に薬剤散布。

下記写真は6月22日、緊急対策で捕殺したモモのクビアカ幼虫です。このモモは早期発見で通報があり一枝の切除で救われました。

切り株処置での注意点、被害木を伐採した時、薬剤処置をしない場合、切り株の樹皮下部分には幼虫が残っており、幼虫は密着した防草シートは簡単に噛みきり、穴を開けて排糞します。樹皮、フラス、防草シートが一体化しないように浮かせて張る工夫が必要です。

被害状況(フラスは辺材、心材部の孔道からではなく、外周の樹皮下部分から出ている)この排糞孔から成虫が脱出する可能性はほぼ無いが、完璧を期すための工夫が必要です。成虫は切り株の孔道からの脱出ではなく、側面の脱出予定孔から脱出しますので側面の被覆が重要です。

浮かす工夫をした切り株の被覆 (神戸市北区にて)

兵庫県の公園などでは、切り株に土を被せ、その上に防草シートを被覆しています。(子供が上に上がった場合の安全対策)

クビアカ被害の長期戦に備え現場では日々改善、工夫がされています。

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