2021.7.25 アカガシ群落カシナガ飛来調査終了

7月25日、10日の調査に続いて諭鶴羽神社アカガシ群落のカシナガ飛来調査を実施しました。6月5日から開始した飛来調査は6回におよび、やっと今回で終了しました。特に、7月10日は豪雨の翌日で登山道が通行止めになり、通行許可を得て調査を行いました。

10日の調査状況 山道は濃い霧が立ちこめ行く手を遮ります。

アカガシ群落内の道も大雨の痕跡が。

10日の捕獲調成果成果です。まだこの時点でも飛来は確認できましたが、林内被害木からの脱出は確認部分では1頭でした。 帰路、山道の中腹では複数の被害が確認され 、この時点ではアカガシ群落内への本格的な飛来脱出はもう1週間ほど後と思われました。

捕獲紙に付いカシノナガキクイムシ

7月25日最終調査に訪問。良い天候に恵まれ調査もはかどりましたが、アカガシ群落内では通路沿いだけでも約30本の新たな被害が確認され、その対策の難しさを改めて思い知らされた1日でした。

当日の調査で捕獲確認したカシノナガキクイムシ

捕獲紙の一部を剥がして被害木からの脱出状況を確認。

数頭のカシノナガキクイムシを確認、予想どおり穿入生存木からのの脱出数は少なく、アカガシの穿入生存木ではカシナガが繁殖に失敗する可能性が高いことが解りました。

ヨシブエナガキクイムも複数確認され、このアカガシ群落は同じ養菌性キクイムシ2種類の被害を受けてることを確認しました。(下記写真はヨシブエナガキクイムシ)

今年、新たにカシノナガキクイムシの被害を受けているアカガシ。群落内の通路で約30本程度確認しましたが、今後、秋以降の最終被害調査が実施されればその被害本数は更に増えると思われます。

被害木から出ているフラス。(上部7mでも加害されている)

下の写真は、雄が垂直母孔を掘った時のフラス(繊維状が多い)

コケやシダ類が付着していても関係なく加害される。

シダの間の白いアワのようなものは全てカシナガのフラス

下の写真は、昨年に被害を受けた穿入生存木のアカガシ、カシナガに穿入されたが、繁殖に失敗して黒い樹液が出ている。このような穿入生存木が複数みられるので、アカガシは、カシナガの穿入数が少ない場合、材の特徴(放射孔材)からも助かる可能性が高く、ネットなどで被覆して部分的にでも穿入数を減らせば枯死せずに「穿入生存木」として生き残れると現時点では推測し、期待をしています。

今後も諭鶴羽神社アカガシ群落を護る為の活動は続けられますが、今回の飛来調査で得られた貴重な情報(データ)は保護活動に大いに活用できるると期待しています。

一連の飛来調査全般に関しましては予算措置が講じられませんでしたので、ご無理をお願いして調査にあたりボランティアでご協力いただいた皆様、本当にありがとうございました。助かりました。

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