2020.7.10 JYUKU生の皆様へ 変化点と方向性の続報
「何か変化点があるはず」で思い出したので忘れないうちに続報を掲載ます。2017年定期巡回先のお寺から「サクラの葉が変です」と連絡を受けました。季節は7月です。境内ではなく巡回対象外エリアですが駆けつけると、添付写真の様な状況でした。
異常落葉です。更に観察すると葉に独特の模様が出ています。
見てのとおり、薬害の様です。詳細、周辺も確認するとソメイヨシノの下や周辺のモチノキ、サカキ、サツキ、シダレザクラにも異常が見られました。除草剤のように全体に症状が出ているわけでは無く、被害の出方に駐車場からの「方向性」がありました。薬害を疑い時期的に殺虫剤や殺菌剤の散布をされたか管理の方にお聞きすると薬剤散布をされたとのことです。但し、他の場所のサクラも同時に同じ条件で薬剤で散布を行っており、全く異常は無いとのことでした。ここで役に立ったのが「変化点」です。同じものを同じ様に散布するとこの様な異常は出ません。何か違い「変化点が」あるはずです。散布された作業員の方に「同じ条件と言われましたが、この場所で散布された希釈液は、直前に他の場所で散布されたもの(タンク)をチャプチャプ言わせながらこの場所に移動してこられたのですか?」「・・・・・ここで新たに作った」とのことでした。「変化点です」、あらたに殺虫剤、殺菌剤、展着剤を混合されており、説明どおりとすると乳剤と乳剤の配合も無く問題ないのですが、永年の経験と勘で配合、散布しているとのことでした。薬剤を回収して検証も出来ませんので、今後、混合使用する場合の薬剤散布の注意点(計量容器を使うこと、希釈倍率、特に展着剤のリスク等)をお伝えしました。残念ながら、このエリアのシダレザクラは、翌年芽を出すことは無く枯死しました。ソメイヨシノはもちろん、他の散布対象となった樹木は枝枯れ等の被害を受けています。除草剤被害も同様に一旦散布、樹木が吸収すると回収できない薬害は樹木の大敵です。木を護るためにしたことが、木を枯らす要因になるので薬剤散布はより慎重に行う必要があります。