2020.6.14 JYUKU生の皆様へ 葉枯れの原因は意外なものでした。
JYUKU生の皆様へ 今日は1年に一回の定期巡回調査でした。このお寺は 2006年の5月からご縁があり シダレザクラ、クロマツ、クロガネモチ、コウヤマキ、モミジ・・・と色々治療をしてきました。今は地元の樹木医にバトンをつなぎ管理を御願いしており、直接処置をすることはありませんが、元気な間は経過を診続けたいと思います。2006年12月にシダレザクラとクロマツの樹勢回復工事をしたのですが、この時は未だ樹木医の資格はありませんでしたので、2期の大先輩(私の恩師)に工事を御願いして樹勢回復の基本を勉強をさせていただきました。当時、このお寺は国道の改修でこの地に移転してこられ数年しかたっておらず、植栽後の色々な弊害が出始めている時期であり、色々な事象を経験させていただきました。その中の一つの事例を紹介します。
今日の巡回定期観察でも樹形、樹勢維持されており、地元の樹木医さんに感謝です。劣悪な植栽条件を解消してから14年間で良くここまで育ったものです。実は、このシダレザクラの葉に異変が起きたのは2010年5月です。葉が枯れ始めたと連絡があり調査をしました。
これがその時の状況です。何かの病気や薬害等々を疑い、調べに調べましたが解りませんでした。その時、周辺樹木を調べるとシラカシ、ナンテン、キョウチクトウ、ササにまで類似した現象が出ており、更に除草剤か何かの薬害を疑い、ご住職にお聞きすると一切、薬は使っていないとのことでした。益々解らなくなり、一旦休憩、水道をお借りして手と顔を洗ったのです。
お寺の地形、位置図はグーグルマップでご覧下さい。原因のヒントがあります。兵庫県姫路市網干区輿浜1666林松寺
これがその水道です。たまたま口に含むと「あれ!少しショッパイ」、EC値を測ると異常値です。ご住職にお聞きすると「もったいないので打ち込みの井戸水を使っています」とのことで、更に、ここは海が近いので、隣の畑の井戸も時々塩水が出ることがあるとのことでした。葉の異常原因は頻繁に灌水される井戸水と常に強風にさらされる 地形にあったのです。偶然、使った水道が教えてくれました。「顔を洗って出直した結果です。」その後、灌水を上水道に切り替えていただきこの現象は沈静化しました。その他この寺院では、色々治療にまつわる事例が多いのですが、時間が許せばJYUKUの現地研修で詳細ご紹介します。又、このお寺は子供のご縁に恵まれるお地蔵さんが祭られており、多くの参拝者が来られます。ご縁を大切にするため、兵庫県では自生地が天然記念物に指定されている「コヤスノキ」の苗木2本を寄贈し植栽しています。
元気に育っているコヤスノキ(雌木)、 この場所は数年前になくなられ 植栽を大変喜んでいただいたご住職の奥様を思い浮かべる場所です。(合掌)
コヤスノキは、トベラ科の植物で、日本では兵庫県南西部と岡山県の東南部にのみ分布している。
1900(明治33)年に大上宇市(おおうえういち)が発見し、牧野富太郎が新種としてPittosporum illicioides Makino(ピトスポルム・イリシオイデス・マキノ)と命名したものである。神社に残っている所があり、子宝に恵まれると信仰の対象になっている。近年シカの食害で自生地が消えている所が多い。余談になるが、我が家も娘が子宝に恵まれず、願かけの意味見合いで娘に内緒で庭に2本苗木を植えたところ、女の子2人の孫に恵まれた。コヤスノキは花がつき始めて確認すると 不思議なことに 2本とも雌木であった。JYUKUで自宅に来ていただいた時には、コヤスノキがご覧いただけます。