2020.5.27 JYUKU生の皆様へ 一つの子実体から内部の腐朽状態を推測する
27日に京都の庭園を定期巡回しました、この庭園のアカマツの根元には2017年7月の定期巡回時に子実体を確認し、台風に備え、支柱、ワイヤーブレーシングの補強を事前に実施していただいていましたが、都合上、やっと今月に堀取りを実施、本日確認した結果は予想どおりでした。事前の調査情報で補強していただいた結果、この状態で一昨年、昨年の台風にも良く持ちこたえてくれたと安堵しています。子実体発生の一つの現象から最悪の事態を予測して対処、倒木を免れた事例です。
針葉樹の根元や切り株に褐色腐朽をおこす「ハナビラタケ」子実体、この種の子実体の発生から心材まで腐朽は進んでいると判断しました。結果、鋼棒も40cm以上入りました。2017.7.13調査記録
堀取り調査の結果、枯死、腐朽部を取り除くと心材まで腐朽は進んで貫通しています。2020.5.27堀取り調査
心材は上部に向かって褐色腐朽が進んでいる。
このアカマツの根元には過去にカイメンタケなどが発生していた推察されますが、台風被害に備えての全数調査時に偶然、発生していたハナビラタケにより、根元内部までの腐朽進行状態を推測することが出来ました。打音、鋼棒、レジスト等色々方法はありますが、限られた発生期間にキノコが教えてくれる情報を見逃さないことも重要です。今日も納得出来た1日となりました。この腐朽部の処置内容についてはJYUKUで説明します。