2020.5.3 JYUKU生の皆様へ 続報 ミダレアミタケ菌も営みに参加
JYUKU生の皆様へ JYUKU生の方から「今回撮られたオナガバチはオオアメイロオナガバチではないでしょうか?それと、写真ー3のキバチはクロヒラアシキバチかもしれない?」とメールをいただきました。対象樹種、外観、出現時期等も確認すると合っているので間違いないと思います。続報でお知らせするのは、このモミジのもう1枚の添付写真です。 植物に寄生するキバチは自ら枯れさせた樹の中に、産卵と同時にミダレアミタケ菌を植え付け、その材や腐朽菌が幼虫の餌となります。しかし、栄養価の乏しい材やカビを食べていては成長が遅いので、そこにつけ込んだのが卵に寄生する寄生蜂なのです。キバチ→ ミダレアミタケ →オナガバチ→脱出孔→アリと一種だけが繁栄できないように、絶妙なバランスが存在するのです。この写真のモミジ1本のまだまだ続く営みからだけでも、生態系のバランスの見事さには驚くばかりです。 調査、外観診断をするときに「大枝の枯死、腐朽」だけで済まさずに、これらの一連の項目も付け加えるとひと味違った報告書が作成できます。まさに今、報告書作成の真っ最中です。
宗實塾長
早々の続報ミダレアミタケ菌とそれらの生活史のお話、実に巧妙な仕組みなのにびっくりです。そう言えば、ナラ枯れも実際はカシノナガキクイムシの雌が自分たちの餌にするためにナラ菌を持ち込んで・・・どんどん仲間を増やしていく。植物体→昆虫→菌類→植物腐食→分解されて土になり・・・また、植物が育つ環境ができるようにと自然界はうまくできているなぁ!
しかし、現在は人間の営みによる影響でその循環システムも少しづつおかしくなってきてるかもしれません?
塾長の言われるようにどんな現象も外見だけの調査で判断するだけでなく、何故そうなったのか?過程や原因を探ることの大切さを感じます。
それでは、今日はこれで失礼いたします。
塾長はいま報告書の作成中とのこと、お疲れが出ないようにしてください。また、お話が聞けることを楽しみにしています。
JYUKU生:20109 福本