2020.4.9 和歌山県からもサクラの近況が届きました。
「根來衆」で有名な和歌山県の根來寺の市指定天然記念物サクラの満開(1枚目3月26日)と4月9日現在の状況写真が届きました。コロナの影響であまり遠征できなくなっており、写真を送っていただきました。今年も頑張って綺麗な花を咲かせています。このサクラに関わらせていただき10年以上になります。移植時の弊害、タケの根の浸入、獣害による掘り起こし等々で主幹が枯れ下がり、根元迄腐朽して地際は皮1まいの状態で治療を開始しました。10年間で樹形は大きく変わりましたが、胴吹き枝などが肥大成長して葉量も増え新しい樹形を形成しています。特に2本の不定根の肥大成長は著しく土壌改善と毎年のメンテナンスの効果が出てきたと思われます。今後の課題は、樹体を皮1枚で支えているため、台風で根元が揺れると致命傷になるので、支柱のメンテナンスが重要になって来ます。台風や強風が吹く都度心配の種は尽きませんが、元気な間は定期訪問して診続けて後世に引き継ぎたいと思います。(このサクラでは、土壌改良部に金網を敷設、埋め戻してイノシシの掘り起こし害から護る方法を考案しました。)