2022.11.24 兵庫県でもクビアカ被害木の伐採が始まる。
11月24日、兵庫県内でもクビアカツヤカミキリの被害木の伐採処置が始まりました。6月27日に明石市で成虫が確認され、7月に神戸市でも成虫確認、芦屋市ではフラスが確認されました。その後、明石市で8月にフラスを確認、11月に神戸市でもフラスが確認され、兵庫県のクビアカ被害地は明石市、神戸市、芦屋市の3市に及んでいます。調査の結果、2019年には芦屋市で既に産卵されており、近隣の市町も含め、まだ確認されていない地域での被害も予想されます。
11月24日に芦屋市で行われたクビアカ被害木(ソメイヨシノ)の伐採状況です。樹齢約50年、公園の片隅で毎年花を咲かせ、地域住民や保育園児の遊び場となっていました。
伐採当日は早朝から多くの地域の方々や園児が訪れ、サクラにお礼と最後の別れの言葉をかけておられました。特に園児全員の「サクラさんありがとう。さようなら・・・・」の言葉には胸に詰まるものがありました。
クビアカ被害は、生きたサクラを処分する残酷でつらい選択が待っています。当日はNHKの取材もあり夕刻ニュースでも放映されました。
工事の前に自治会や役所、その他の関係者で順番にサクラに 感謝と鎮魂の意を込めてお酒をかけました。(科学的な根拠はありませんが、生きたサクラの命を絶つことは何かしないと心が痛むからです)
高所作業者による作業開始(チエーンソウの音はサクラの悲鳴に聞こえます)
切る都度被害状況を確認します。
皆さんで最後の切り株確認。
幼虫捕殺と割材を繰り返し、焼却しやすい大きさにしてパッカー車の中に投入していきます。
捕獲した幼虫(4cm)23頭、搬出材の中には更に倍以上の幼虫がいると思われますが、材は即焼却処分となり繁殖はありません。(これがら来年脱出して新たに被害を拡散していたらと思うと・・・・)
切り株にある孔道は、フラス除去後、2種類の登録農薬を注入。
切り株は成虫のエサとなる材の腐朽を早める為に、安全な食用の木材腐朽菌の種駒菌種を打ち込み、その後オガ培地を被せます。
成虫脱出防止の為、真砂土を10cm以上覆土、材の変質効果も得られます。(但し、この場所は雨水で流れたり、人が歩いたりする可能性があるので、今回は防草シートで被覆しています。)2年~3年で成虫脱出の可能性はゼロになりますのでその期間のみの被覆です。防草シートによる効果(ひこばえ抑制、成虫脱出防止、産卵防止)は実証済みで過去のブログにも掲載しています。簡単な処置として実効が得られるのは防草シートのみでも可能です。
覆土の厚みをメジャーで確認。
寂しくなりましたが、来春この隣には新しくサクラが植栽され公園を彩ります。
11月28日から明石市でもクビアカ被害木5本を伐採します。これらの光景が日常的に見られる兵庫県にならないよう、 皆さんの協力を得ながら 今後も啓発活動を続けていきます。