2020.9.28 JYUKU生の皆様へ 秋の産卵ショーが始まりました。
今年4月にマツモグリカイガラムシの産卵シーンの写真(4月25日から26日徹夜で撮影)を掲載しましたが、マツモグリカイガラムシは年2回発生(4月、9月)するのでその生態を確認すべく、その後毎月定期的に観察を続けていました。8月27日の調査ではほとんど見られなかったアカマツの枝に9月28日の定期調査で確認、予定どおり年2回の発生です。早速持ち帰り実体顕微鏡で観察すると卵のうの中に成虫を確認しました。一部、残った他の卵のう内では同時に産卵が始まっています。又、個体差があり既に脱出が完了している個体も多く見受けられました。(9月の初旬から変化があったようです)
枝に多数のマユ状の卵のうが付着しています。
下の写真は実体顕微鏡の卵のう内写真です。右の成虫からは黄色い産卵された卵が見えます。左の成虫はこれから産卵が始まります。しかし、他の採取した試料では脱出が全て完了していました。
4月は、これを観察して、産卵日数、産卵数、孵化日数を確認して防除のタイミングに活かしましたが、マツモグリカイガラムシは一旦加害されると中々手強いです。
下の写真は4月に撮影した感動の産卵写真です。(動画もあります) 産卵しながら全身から糸状の物質を同時に出し続け、2日間で卵のうを形成します。産卵された卵は、約2週間でほぼ全数が孵化しました。
これで、秋の防除計画が決まりました。来春の発生は更に更に大幅に減らせると思います。このように常に現場で観察しながら、生態を確認して、その害虫の弱点を突く、これの繰り返しです。中々、本などに記載してある防除方法だけでは防げません。薬剤散布だけではなく、昔から行われている先人の知恵も同時平行で活用することが大事です。先人の知恵?JYUKUで説明します。
尚、この事例は関西(京都)であり、大きくは寒い地方や暖かい地方は、その地域の気候差を考慮、同地区でも細かい地域差で判断してして早めに適時防除対策下さい。