2020.9.17 JYUKU生の皆様へ 登れば下る、下れば登る。ただひたすら使命感あるのみ。

JYUKU生の皆様へ、今シーズン後半のナラ枯れ調査が15日で終了、本日報告書を提出してやっと完了となりました。例年との違いは1ヶ月調査が早く、猛暑との戦いでした。8月の前半は山登りが大半でしたが、後半は、谷底に下る難関が待ち受けていました。登れば下る、下れば登るのは当たり前ですが、今回の調査ほど過酷な調査は初めてです。猛暑に加え、被害本数が予想の倍以上約2000本となり、当該地域は今年がピークの様相です。メンバーは、今までのいきさつ上、ただ使命感あるのみで調査に参加いただきました。事故もなく無事終了、本当にご苦労さまでした。

下の写真は今年の被害の現状です。ピンクのテープはすべて被害木です。調査数(被害本数)が多く1m進むのも大変でした。

写真は名称が「キャニオン」と名前がつているだけ深い谷底ですが、途中、1カ所だけ渓谷の底の見える場所がありましたが、私は高所恐怖症なのでさすがに谷底は覗けませんでした。ここは唯一、風の通る場所です。ここから更に谷底までの調査で下ります。アブ、蚊との戦いも始まります。

毎回、調査ではカエンタケの様な新しい発見があり、調査の楽しみの一つですが、今回は、残念な結果を確認することになりました。特異な形からこの公園のシンボルツリーにもなっている「コナラ」が被害を受けており、予想していたこととは言え4人の調査員全員ガッカリです。前回の調査で周辺の状況から対策しないと今年は必ず加害されるので、関係部署に強く対策協力を申し出たのですが、諸般の事情で手が打てなかったのです。

写真は、被害を受けたコナラです。竜が天に登る様で大変珍しい形をしています。根元のフラスの状況から相当ダメージを受けており、来年の調査で加害生存木として生き残る可能性は少ないと思われます。(ただ、今は祈るのみです)

今回、後半の調査は、過去に里山として薪炭材で切られ、その萌芽がそのまま長年放置された結果、単幹ではなく複数の幹が多く、 枝番付与、幹周測定に時間を要しました。色々場所により歴史が解ります。(この場所は、炭焼き小屋の跡が2カ所残っています)下の写真は園路の昨年の調査木です。(加害生存木として生き残っています)

前半の報告書は6ブロック47ページ(1200本)でしたが、後半は5ブロック30ページ(800本)でした。参考に配置イメージ図を添付します。この1枚と調査野帳があれば、後工程の人は材積計算や、対策指示、容易に現場にたどり着くことができます。

ブログナラ枯れ調査イメージ図2

この調査業務はあるNPO立ち上げ時に社会的信用を得るために取り組んだ最初の公的な事業でした。信用を維持しつつ事業を引き継いで若い会員の人たちにもバトンが渡せるよう調査方法、まとめ方、予算等を充実させてきたのですが、NPO事務局の方針が大きく変わり、単独で今まで作業に関わってきたメンバーだけでやらざるを得ない事態なりました。結果としていきさつを考慮しない無責任な方針ですが、私たちは責任上、使命感でナラ枯れ被害が収束するまで 続けていく予定です。(事業は都合だけでなく、社会的使命や継続性の原則も重要であることを改めて考える案件でした。) 作業も終わり、3日間デスクワークで身体を休めて19日から滋賀県、四国、京都・・・・と定期巡回調査が始まります。コロナで休んでいた講演や研修講師も 10月、11月と、来年度も含め受諾しました。まだまだ年内忙しい日々が続きます。

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