2021.11.30 JYUKU生の皆様へ もう少し小さい苗を植えるべきでした。
紅葉も終盤を迎えています。あるドキュメンタリー番密着取材を受けていますが、岡山から始まり、兵庫、京都と続き、この収録も後半になりました。今回は樹木医としての出発点ともなった寺院です。色々な樹種がありご住職や奥様が植物にも詳しく、植物に対する思い(愛情)も含め色々と教えていただいている場所です。
当日は紅葉も綺麗で多くの参拝者が来られていました。特に下の写真の場所はインスタ映えがすると「紅葉」「青もみじ」の時期や四季を通じて人気のスポットです。
収録中風にのってご詠歌が聞こえてきました。いつもお世話になっている檀家の方がメンバーにおられるので、ご挨拶に伺うと「○○さんは今日は来ておられません」「ご主人が亡くなられ二七日の日です」、 「えー!」
実は、ご主人と一緒に台所からシダレザクラの花をながめたいからと苗木の植栽を頼まれたのです。最初から大きな木を入れて「早く花を見たい、花を見てから死にたい」と言われたのですが、「大きな木は育ちにくいので小さな木を植えて、花の咲くのを楽しみに待って長生きして下さい」と小さな苗木を植えました。
春に「一輪花が咲きました!」と喜んで電話をいただいたのですが、「一輪では花が咲いたとは言えません。もっともっと満開になるまで長生きして下さい」と伝えました。
もっと、もっと小さな苗木を植えるべきでした。
収録中の読経が静かに流れています。心からご冥福をお祈り申しあげます。
当日、境内からながめたハナノキ。「樹木と寄り添い、人と寄り添う」この思いもこの寺院で教えていただきました。
次の収録は来年、福島県での予定です。