2020.10.26 JYUKU生の皆様へ 研修現場は過去の結果が良く解る。
10月度後半の現地研修も実り多い結果で終了しました。JYUKU生・補の皆様に今公開、提供している現場は、大半が10年以上関わっている場所ですので、毎年継続して行っている土壌改良の結果や樹勢の状態が時系列で確認、評価できます。今回は、施工の流れも含め、2カ所ともに根系改善の効果について見て頂きました。(参加頂いた皆様ご苦労様でした)
一般的な割竹を使った基本工法の検証ですが、隔年で場所を変えて行っているため、4年前、2年前の結果が同じ検証ピットで同時に見られます。4年前の割竹埋設部(写真左下)は既に竹が朽ちていますが、充填資材はシッカリと残っており、通気、通水管の役目をしています。細根が多く、これ以上掘れない状態です。2年前の割竹埋設部(写真右上)は割竹は残っていますが、根が周辺に集まっています。(一般的な割竹の作り方はPDF3で添付しますが、私たちのグループは、事前に竹の油抜きや、炭化処理をして使用しています。なぜでしょう?)
PDFは3ページあります。
割竹の作り方3次は、土壌灌注部位の検証です。樹種や場所、事前の土壌調査(硬度、透水性、pH等々)の結果により充填資材の配合比率を変えていますが、この部位の発根状態も良好で深部まで発根しています。この作業は、毎年、土壌改良していない部分をカバーする為に行っています。(10年も継続して繰り返せば、大がかりに土壌を掘り返さなくても大半の土壌改善ができます)土壌灌注工法についてもPDFで再添付します。
PDFは2ページあります。
土壌灌注についてブログ2020いずれの方法も、一般的な方法ですが、自然の理にかなっており、経験から改善効果の有効性が得られやすい一つの工法として推奨しています。
これらの土壌改良や処置を行う場合、事前になぜこの木が衰退したのかを特定し、その解決の方法の一つとして上記のような処置も行ってきました。特定する場合の方法として聞き取り、歴史、植栽環境、地上部の病害虫や土壌調査(土壌硬度、透水試験、pH・EC検査、根系調査等々)を行いますが、得られたデータをいかに読み解くかがポイントになります。ついつい数値の羅列や土壌分析などのテクニックや細かいところに入り込んで、大きな原因を見逃す事があるので要注意です。これらのデータや結果がクライアントにご理解いただけて、受注、施工、樹勢回復につながるにはまだまだ「ながーい期間」を要します。クライアントとの信頼関係を築くことの重要性についてはJYUKUのテーマの一つです。
当日、研修の現場は紅葉はまだ少し先の様子でしたが、1ヶ月もすれば添付写真の様な五色の紅葉が見られます。
11月の研修場所、テーマは舞台を和歌山県、兵庫県、後半は徳島県に移します。参加できないJYUKU生・補の皆さんにはリモート塾で紹介しますのご期待下さい。
宗實先生
お世話になっております。
今回掲載の内容について、自分には理解できる事が少ないのですが、とても重要なポイントを公開されているのだと思います。
宗實先生のそのような姿勢は。本当に勉強になりますし、是非見習わせていただきたいと思います。