2020.5.11 JYUKU生の皆様へ 樹勢回復方法が確立、統一されていない中で大事なこと

           満開のナンジャモンジャ(ヒトツバタゴ)

樹木に関わり、スタートしたころは、治療などの数や樹種、重要木、有名な所にどれだけ関われたかが目標でもあり、やりがいでもあり、その過程で価値を見いだしてきたのですが、途中から樹木の価値は「思い入れで決まる」ことに気づき、今は、自分がどれだけ永く見続けられるか、バトンをつなぎ見続ける体制が作れるかに価値観が変わってきています。樹木の寿命からすればあたり前のことですが、やっと最近になって気づかされています。会社に勤める樹木医、個人事業者の樹木医、それぞれ立場で違いますが、その時だけの事業や請負仕事で終わらせてはいけません。樹木の治療は、持続可能な見守り、メンテの体制作りが欠けたのでは樹木医の自己満足の世界にすぎないと思っています。結果、自ずからキャパは決まって来ます。この庭園は、それを教えてくれた唯一の現場です。指定がかかっており、現状変更申請をしながら、地山や石組みの間にサツキの補植を行い、絶壁や空中に植えるような難題を克服してほぼ100%活着に成功し空間を埋めました。試行錯誤を重ね、見続けた結果です。(工法はPDF2頁で添付しますが、その他の各種対策の詳細はJYUKUで現地説明します) 今日の境内はナンジャモンジャ(ヒトツバタゴ)が満開で見頃です。

添付のpdfは2ページあります。

サツキ補植ブログ2 2020

同日、巡回で確認したサラノキの土壌改良部の「初期発根確認孔」には、針状の根が伸長していました。初期発根確認方法の仕組みについては、後日ブログの中で概要をお知らせします。

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2020.5.11 JYUKU生の皆様へ 樹勢回復方法が確立、統一されていない中で大事なこと” に対して1件のコメントがあります。

  1. 福本 市好 より:

    宗實塾長

    おはようございます。今日は自宅待機の日です。昨日は久しぶりに植物園に出勤日でした。
    新緑がより一層増して季節が一気に進んだ感じを受けました。そんな園内に今はハンカチノキが美しく咲いていました。まだ今は休園中のためか、風にゆれるハンカチ(苞片)が青空を背にちょっぴり寂しく感じられました。
    ところで、マツモグリカイガラムシ?の卵のうから孵化が始まって、その瞬間を観察されたようでタイミングよく顕微鏡でも撮影できてよかったです。ちなみに1つの卵のうからはどのくらいの数のカイガラムシが生まれるのですか?今後の実験調査を楽しみにしています。

    それと、たぶん福崎町應聖寺の現場だと思うのですが・・・・ハナノキやサクラ、シャクナゲ、ツツジ、ナンジャモンジャ(ヒトツバタゴ)、ナツツバキ等々と花の寺として有名なところでこれまで樹木医として取り組んでこられた実績・成果はすばらしいことと思います。
    そのような現場を塾長と塾生たちが一緒に訪れて、いろいろと実習体験・実践指導をお願い致します。ぜひ、その機会を心待ちにしています。

    juku生:福本市好

  2. 宗實久義 より:

    福本 様
    毎回投稿有難うございます。
    毎回個別に、メールでご返事はさせていただいていますが、今回は他のJYUKU生の皆さんにも参考になるようコメント欄で投稿します。

    観察を続けていますが、大半が黒い小さな目をつけて孵化しています。
    写真は卵のうから脱出した幼虫です。
    カウントは難しいですが、ほぼ孵化するので自然界でも100~200匹ぐらいではないでしょうか。

    記事の写真は應聖寺です。
    本当に、ここはカイノキのトサカフトメイガ被害、「ならたけもどき病」やサツキの「くもの巣病」など病害虫でも初体験で勉強になったところです。
    ナラタケモドキもあまり話題にならなかった年代で、随分苦労しました。
    特にならたけもどき病の罹病木に発生する事象の一つ樹液滲出について初確認したのもこのカイノキです。以後、サカキ、サクラ、キンモクセイ、モミジ、コウヨウザン等々でも同現象を確認、早期発見の指標としています。この樹液滲出現象については後日のブログで代表事例を紹介します。

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