2024.2.29 JYUKU生の皆様へ 二つの現場を無事引き継ぐことができました。
延命と再生を願って11年間通い続けた滋賀県の現場を無事引き継ぐことが出来ました。キノコに起因する病気で樹勢衰退が進んでいるサクラに関わり、 被圧、獣害(サル、シカ、イノシシ等)降雪被害、腐朽進行・・・、想定外の対策にも追われ、 試行錯誤しながら何とか樹勢を維持、結果、大半が葉量も増え、回復の兆しも随所に見られるようになりました。その過程で解ったことは「罹病、枯死して行く根量以上に新らしい根を発根さすこと」に尽きると言うことでした。又、処置、検証、評価、再処置の繰り返しの中でサクラの生命力には随分驚かされ、その生命力に期待した処置も多々ありました。
調査と経過観察1年、土壌灌注と坪穴を繋いで10年間、罹病根を取り除き、土壌を清浄土に入れ換えた土壌改善を行いました。もちろん通路部分は石板埋設工法などでカバーしています。今回が最後の坪穴土壌改善(8箇所)です。石板下に伸長し肥大している根も確認でき、土壌改良部や土壌灌注孔への根の侵入、発根も確認しており、これらが樹勢維持、回復につながっている確信しています。
下記写真の上部の発根部分は2年前の土壌改良部との境目です。今回は手前を改良して完了とします。
コケを取り除くと土壌灌注孔の発根が見られます。土壌灌注は坪状土壌改良間を水みちで繋ぎます。
灌注孔(改良材充填)は深部に到達しています。
灌注孔は2年で「根柱」を形成、深部まで土壌灌注孔間の水みちに根を伸ばしてネットワークを形成しています。
今回は、土壌改善の一部を紹介しています。この病気に罹病した場合、有効と言われている資材を使ったり、色々な方法を講じましたが、やはり「根を増やすことに尽きる」と現時点では思っています。地上部の年代別変化については研修会で紹介します。
2月末で、滋賀県の11年の案件は滋賀県の樹木医に、奈良県の20年の案件は奈良県の樹木無事無事引き継ぐことが出来ました。
宗實先生
業務の引継ぎ、お疲れさまです。
10年以上かけて樹勢回復を行ってこられたという事で、今期強く丁寧に仕事をされてこられたのだと感じます。
これだけ細い根を発生することが樹の命をつないでいく事になるのですね、宗實先生のお仕事にはいつも驚かされます。
現場作業もまだまだ多いかとは思いますが、体に気をつけてください。
鎌田