2023.3.22 JYUKU生の皆様へ 「枯れている証明をして欲しい」
JYUKU生の皆様へ 添付写真のアカマツはだれが見ても明らかに枯れているのですが、原因と対策の前に「枯れている証明」を求められた案件でした。それほど大事にされてきていたアカマツでした。
原因はJYUKU生の皆様であれば察しがつくように、基本の調査をするとマツ材線虫病でしたが改めて「枯死している事を証明して欲しい」との要請には驚きました。
そこで説明したのが成長点3カ所の枯死でした。枝の成長点の枯死、主幹樹皮下の枯死、根の枯死の確認でした。枝は切ってヤニの出ないことを確認、幹はポンチでヤニの出ないことを確認、根は一部を掘り起こして確認しました。総合的には全体の葉色、乾燥状態(樹皮浮き)も判断材料にしています。良く民家の松枯れ診断で少しでも色が残っておれば「まだ枯れていない」と中々納得していただけない事例が数件ありましたが、時期が良ければいつもベルマン法で検査できる検査器具と実体顕微鏡を持参してその場で「マツノザイセンチュウ」を見ていただき納得していただいていました。枯死宣言をする迄には色々工夫が必要になります。(ザイセンチュウを早く検出するためにポットのぬるま湯をいつも持参します)
後日、この切り株を掘り起こしたのですが、深部の根から二次的に被害を受けた「クロカミキリ?」と思われる幼虫が複数確認され、確認のため試料を持ち帰り羽化、脱出を試みています。(JYUKU生の皆さんには結果をお知らせします。)
今年は隣接木のアカマツにも加害される可能性が非常に高いので、樹幹注入を実施、薬剤散布を確実にしていただきながら経過を見ていきたいと思います。関西では昨年「マツ材線病病」の被害が多数寄せられました。松枯れも過去の被害では無く、今年も被害が増えそうです。
下記写真はたまたま別件で訪問した兵庫県姫路市の手柄山中央公園の甚大な松枯れ被害です。 2023年4月12日撮影