2023.3.13 JYUKU生の皆様へ その正体は!
兵庫県明石市のクビアカツヤカミキリ被害地の調査を今年も明石北高校の生徒さん達が、樹木テープ付けとフラス調査をしてくれています。その結果で判別しにくい樹液やフラスを確認のため先日依頼があり巡回してきました。
昨年の成虫発見時から複数回調査をしていただいているので類似するコスカシバはほぼ完璧に識別がされていましたが、判別がやっかいなのは樹液です。クビアカツヤカミキリの被害木ではフラスと併せて樹液も加害されている一つの判断基準にしています。
今回クビアカ被害調査現場で確認したソメイヨシノの樹液です。
その正体は!
樹液を剥ぐと小さな穿入孔が確認されました。(各樹液滲出部に1個) 樹液の下に孔の無いものも複数あります。
偶然樹液の中にカシノナガキクイムシの成虫が閉じ込められていました。
この地域はナラ枯れの激甚被害地でもあり、 ブナ科以外のソメイヨシノにもカシナガがアタック(失敗)、樹体に刺激を与えて樹液が出たと思われます。
他の地域でも病原菌や他のキクイムシなどの刺激で樹液を出す場合がありますが、この地域のこの現象はカシノナガキクイムシ等の加害でした。
兵庫県の瀬戸内海側(ナラ枯れ被害地)では昨年ソメイヨシノの樹液滲出の複数事例報告がありました。
添付の下記写真は、昨年夏に同エリアで捕獲したカシノナガキクイムシとヨシブエナガキクイムシです。