2021.4.10 JYUKU生の皆様へ アカガシ群落の被害は甚大でした。
JYUKU生の皆様へ 3月25日にを行った調査では、兵庫県南あわじ市のアカガシ群落のカシノナガキクイムシ被害は予想を超えて甚大でした。対策を打つためにまず全容を知る調査を行ったのですが、12,000㎡をはるかに越え、予想以上に群落の範囲が広く、対象本数も多かった為、1日で終了さす調査に困難を極めました。ベテラン調査員も音をあげる程です。その調査結果と4月10日のカシナガ対策研修会の様子を紹介します。
調査当日、午前中は雨、午後になると木漏れ日が差し込む。幻想的なアカガシ群落、この森閑とした霊域を護りたい。
ベテラン調査員(樹木医4名)、大径木や双幹木もが多く、又、時期的に幼虫の休眠期であり、フラスの確認が難しい状況下でした。
当日、強力な応援部隊(5名)に助けられました。ご協力ありがとうございました。
調査の結果は、対象樹種総本数380本、被害木30本、加害痕跡のある木54本でした。
詳細、報告書にまとめて神社に提出しましたが、この調査で戦う相手の現状が把握できたのと同時に、アカガシ群落の規模、位置関係、樹高、幹周を全て把握するとうい貴重なデータが得られました。ドローンやJPSのすごさです。これらの詳細なデータは今後の被害状況の広がりや対策、中長期のアカガシ群落維持管理に大いに役立つと期待しています。
ブログ2021.3.25調査ブログ2021.4.6新聞
4月10日のカシナガ対策研修会での指導状況です。被害を皆無には出来ませんので現実的な「穿入生存木」を増やす考え方です。 カシノナガキクイムシの基礎講座、このアカガシ群落の重要性、護る為にまず、敵(生態)を知っていただきました。被害現場、被害木、成虫標本、カシナガの生活史、各種防除対策の方法、対策資材の説明です。
対策の中の一つの方法、被害木から脱出する成虫を捕獲する粘着紙「カシナガホイホイ」の巻き付け方指導、捕獲紙を浮かせて張る「浮かせヒモ」の取り付けです。(螺旋巻きが簡単です)
下の写真はカシナガホイホイの巻き付け完成です。根張り部分も確実に巻いています。(上部からの脱出、雨水の流入による粘着性劣化対策も忘れずに施工しています)
下記写真、左が被害木に巻いた脱出防止用の「カシナガホイホイ」です。右が未被害木に巻いた防虫ネット「クビアカガードネット」です。奥のピンクの調査テープを巻いたアカガシは被害木で、対策は続きます。
これらの対策(ホイホイ巻き付け)が被害木を中心に5月頃に実施されることになりました。今回樹木医として行った「簡易調査、本調査、巻き付け指導等」が、貴重な「アカガシ群落」をカシノナガキクイムシ被害から護る一助になればと願っています。
ご協力いただいた皆様ありがとうございました。
JYUKU生の皆様へ この案件のポイントはカシナガ対策を「戦」にたとえるなれば、「軍師」 樹木医 として取り組んできたことは戦う前にまず、相手を知ることです。カシナガ生態や護るべきアカガシ群落の全容が解らなければ話になりません。そのための「せっこう」の役目として、全容の調査を実施しました。戦う相手、護るべき規模が把握できたら、次は効率よく戦う準備と戦い方です。ナラ枯れ被害を皆無にすることは不可能で被害を少しでも抑制することが現実的です。今回は「穿入生存木」を増やす戦術をとりました。その方法は、被害木(フラスが多・中・少)全てに脱出成虫捕獲用の粘着紙「カシナガホイホイ」を巻き付けます。高所まで巻き付けは出来ませんが、下部の穿入数が多い部位はカバーでき、脱出の抑制には効果があります。更に未被害木や前年度に穿入痕跡のある木に、穿入、脱出防止用の「クビアカガードネット」を巻き付ければ、残っているカシナガの脱出抑制や新たに飛来し加害する被害を軽減できるのですが、予防には軍資金(補助金)が出ないので難しいところです。当面は対処療法(粘着紙捕獲)で持久戦(5年程度)になります。作業指導や研修で戦術、兵力の増強の目処は立てたのですが、今後の課題は武器、兵糧が続くかどうかにかかっています。幸いアカガシ群落を後世に何とか残したいと「大将」(宮司様)の戦意(思い)が非常に高いので多くの方々の協力が得られることを期待しています。
諭鶴羽神社公式ホームページ – 諭鶴羽神社公式ホームページ (jimdo.com)
諭鶴羽神社アカガシ群落保護のために多くの方々にご支援をいただいており、心からお礼申しあげます。お陰様で当初計画の重度の被害木の処置だけでなく一部未被害木への予防処置も講じることが出来る様になりました。いよいよ19日から保護対策をスタートしますが、近隣の被害も含め沈静化するのには5年程度要すると思われます。 森閑とした霊域 を取り戻し、維持するために誠心誠意対応して参りますので、引き続きご支援の程宜しくお願いします。(感謝) 2021.5.12 樹木医 宗實久義
ありがとうございます。
是非とも神域の木々を助けてください。
微力なから今後は継続して神社に木を守るための寄付をさせていただくつもりです。
よろしくお願いいたします。
いち羽生選手ファンより
ご投稿ありがとうございます。
「思いは同じです。」
多くの方々にご支援いただきながら貴重なアカガシ群落を護っていきます。いよいよ保護対策がはじまりますが、作業は6月初旬カシノナガキクイムシ脱出、飛来開始時期までが勝負です。梅雨時期でもあり、調査日の様に天気が味方してくれることを願うばかりです。
宗實